2017年5月25日木曜日

【「上等です。」異星へ渡ったブラジルの日系移民のお話】


一度でも日系のブラジル人たちに接したことがあるならば、彼ら彼女らから放たれる、なんとも表現のしがたい切なさのような感覚に、胸をしめつけられるような想いを抱いたことのあるひとは少なくないだろう。

そう、たぶん彼らは、「異星」へと、一足早くたどり着いてしまった人たちなのだ。
故郷から、遠く離れて。

移民してしばらくして、おいなりさんをどうしても食べたくて、大豆を育てることからはじめた話。

アマゾン奥地の日系のコロニー。

彼らの口をついてでる、びっくりするほど古風な日本語、所作。

今日も7月のワークショップの件で、ミゲルのカタコトよりちょっとうまい日本語と、わたしのカタコト以下のポルトガル語で軽く打ち合わせのようなことをしたのだけれども、話の最中に「いいね」というかわりに「上等です。」という返事が返ってきて、まるで明治大正の小説からタイムトリップしてきたようなその響きに、またしてもひとり胸をグッと熱くしていたのであった・・・。

それはもう、日系移民に限らず、ブラジルへと海を渡ってきた人々、そしてその混血の子孫たちすべてに通じることで、ブラジルに生きる多くの人々がこの夢のなかにいるみたいな時空間の不思議なズレ・ゆがみのなかで、というか、もはやなにがゆがんでるのかズレてるのかさえわからなくなってしまったなかで、あたりまえに日常がすぎていって、それはもう、ひとときもとどまることなく虹色に変化する織物のように、ひたすらにまばゆく美しく、わたしをいつまでも魅了しつづけるのであった・・・(もちろんそんな悠長なことをいってられない現実もその反面とても多いのだけど)。

・・・Saudade!!!

わたしのつたないコトバではその魅力をまだまだ到底伝えきれないのですけど、そんなブラジル独特の空気感をまとったミゲルの写真ワークショップ、ただいま鋭意、準備中☆彡

写真に興味なくても、楽しいことまちがいなし。
お楽しみに〜!