2018年3月9日金曜日

20180309

これだけなんだかんだ移動していてまったく説得力がないのだけれども
いまの家に引っ越してからというもの「移動」への欲求がだいぶ薄らいでいる。

ようやくの「我が家」感に、できることなら家にいつづけたい、とさえ思っているし
旅行にでるのがおっくう、という人の気持ちが生まれて初めて分かりかけている。
たしかに、慣れない土地に出かけていくのっていろいろ面倒だし、心身が慣れるまでに時間もかかるし、せっかく日々のなかでできていたリズムも狂うし、そこまでして出かけていかないでも・・・となるのはよく分かるなぁと。

そう考えると、育った家や環境が自分にとって居心地がよくなかった、というのもいま思えばわたしを外へ外へと押し出す力になっていて、悪くなかったんだな〜と思ったりする。
それがなければ、あれだけの労力をかけてあちこちでかけていなかっただろう。
いま思えば、旅先でしかない開放感というのがつねにあって、旅や移動のあいだだけはほっと安心していられるそんな感じだったのだと思う。

なんだか、本当に自分というものがその時期時期で変化しつづけていて
変化のたびに、まったくちがうひとの人生を生きているように感じる。

「家」が好きな私、というのにはまだ慣れなくて自分自身がいちばんとまどっているのだけれども、
すごく新しくて、穏やかで、いいなぁとおもう。

いまあるところから、移動しなくていいと思えること。
ここではないどこかへと駆り立てられることがないこと。

この感じは、人生で初めてかもしれない。


Sydney, Australia, MAR2018