2016年11月23日水曜日

占いあれこれ


【「占う」ということばの語源についてすこし】

「うらなう」とは「うら+なう」というふたつの単語からできていると言われていて、私自身もこの説がいちばんしっくりくるな、と思っています。
「うら」とは「裏」=「表に出ていない部分」であり、古語では「うら悲しい」などという表現で「心」を意味します。(「心」もまた「表に出ていない部分」という意味ではまた「裏」であり、そのほかにも「浦」というと「凹んだ部分、引っ込んだ部分」という意味にもなります。)
そして「なう」は、「縄をなう」というときに使われる「綯う(なう)」です。
つまり、ふたつを合わせると「うらなう」とは「心(裏)を綯う」という意味になります。
ここまで分かるとだいぶなるほど!と思いますが、ただ日本語の「心」という単語はじつに多様な意味の拡がりもっているのでその解釈がむずかしいところで、この場合の「心」とは、「意」または「意図」と理解するとよりわかりやすいように思います。
つまり「うらなう=心(裏)を綯う」とは、(表に出ていない)自分自身の生命の「意(または意図)」を綯うこと、紡いでいくこと、そんなような意味合いになります。
「占い」というと、なにか決まった運命を言い当てるようなイメージがまだまだありますが、語源をたどると自分自身の内側にある(見えない)「意図」に繋がりそれをいかに具現化していくか?そんな本質的な意味合いの方がポンと浮上してくるからおもしろいです。
私もいつのまにやら「占う」ということをすることになって久しいですが、「心(裏)+綯う」という語源によってもたらされるインスピレーションを大切にしながらお付き合いしていきたいものだなぁと常々思っています。

ちなみに「占星術」とは「星の心(意図)を綯う術(すべ)」または「星の示す意図を綯う術」ということになると思います(「星の物語を紡ぐ」みたいな言い方も)。